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『JAXA i』

土曜日にお昼ご飯を食べに、丸の内オアゾに行ってきたのですが、エスカレーターから目に入ってきた『JAXA i』についつい立ち寄ってしまいました。

JAXA:Japan Aerospace Exploration Agency
     宇宙航空研究開発機構
JAXA i:JAXAの一般向け展示・広報ブース
丸の内オアゾは開業から1周年だそうですが、僕が勤務する会社の本社機能が入っているにもかかわらず、今回が初オアゾです。


『JAXA i』_b0016922_044276.jpg元・理系で、子供の頃からテクノロジーへの興味が強かったので、ちょうど日経でJAXAの人工衛星(探査機)『はやぶさ』のニュースが報道されたばかりだったこともあり、こういう施設を見るとどうしても見ずにはいられません。

右の写真は、H-2Aロケットの2段目のエンジンとノズルです。
実際に燃焼試験に使われた実物です。
制作を担当したのは三菱重工で、品川駅港南口のグランパサージュにある三菱重工のロビーには、H-2ロケットの、おそらく一段目と思われるエンジンが展示してあります。


プロジェクトXでも取り上げられたことがあったと思いますが、これは日本の技術と努力の結晶なんですね。

ちょうど人工衛星(探査機)『はやぶさ』がニュースになっていたのですが、それを取り上げたサイトの解説が見事でしたので、以下全文引用します(強調は引用者による)。

ご参考まで。

■2005/10/28 (金) 08:48:06 探査機「はやぶさ」、2007年地球帰還へ

本日朝刊42面【社会】

宇宙航空研究開発機構は27日、地球と火星の間の軌道を回る小惑星「イトカワ」の砂を持ち帰るため打ち上げた探査機「はやぶさ」による試料採取を11月12日に実施すると発表した。姿勢制御装置の不具合を克服する方法を見つけたため予定通り回収作業に挑む。2007年6月ごろ地球に帰還する予定。

記事中で不具合をおこした「姿勢制御装置」というのは、リアクションホイールと呼ばれる一種のはずみ車(フライホイール)のことです。
フライホイールを高速で回転させるとジャイロ効果によりトルクが発生しますが、その反作用を利用して衛星の姿勢を制御しようという装置で、X、Y、Zの三軸それぞれに付けられています。
この装置があれば、化学剤を燃焼させるスラストを使わず電力だけで姿勢をコントロールできるため、衛星の重量を軽減できるというメリットがあります。
この三軸のうち二軸までのリアクションホールがアウトになったという話でして、それをスラストで補完しても地球帰還まで持つだけの目処が立ったようです。

これが有人機ならば、月への途上で爆発事故を起こしたアポロ13号を救った管制チームのような働きと称賛されるのでしょうが、どうも無人機というと日本のマスコミの知見が浅いせいか喰い付きが悪いようです。
しかし、この「はやぶさ」というのは画期的な探査機で、小惑星にタッチダウンしてサンプルを採取し、それを地球まで持ち帰る意欲的なミッションを担っているのです。
技術的にも搭載メインエンジンに従来の化学剤燃焼型ではなく、高電圧放電によるイオンエンジンを採用したり、一連のミッションに必要なリモートコントロールなどこれからの宇宙開発にとって重要な技術を試みています。
中国の有人機「神舟」は、60年代の枯れた技術を使っているわけですし、制御には人間が直接介在できるので、人命のリスクさえ気にしなければそれ程難しいことをやってるわけではありません。
むしろ、有人機で到達できる距離に限りがある以上、これからも太陽系や深宇宙の探査は無人機が主流であり続けるのですね。

中国に負けているとか、とかく派手な方にメディアの目を奪われがちですが、こういった取り組みにももっと注目すべき
じゃないかと思うのです。

by Gate_of_Tiger | 2005-10-31 01:07 | Others